.bssと.sbss/.dataと.sdataの違い

.bssと.sbss/.dataと.sdataの違い

Posted at March 13,2018 12:03 AM
Tag:[]

.bssと.sbss/.dataと.sdataの違いについて調べてみました。

1.問題点

C++で、やや規模の大きなプログラムを作り、ビルドしたところ、リンクマップには

 .data
 .bss

以外に

 .sdata
 .sbss

というセクションができました。

.dataは初期値ありのデータ、.bssは初期値なしのデータを配置するセクションですが、.sdata/.sbssとの違いが分かりません。

ということで、.bssと.sbss/.dataと.sdataの違いについて調べてみました。

2..bssと.sbss/.dataと.sdataの違い

通常、プログラムが変数の値を読み書きするには、

  • 変数のアドレスをレジスタに代入
  • レジスタの指す先のメモリを読み書き

という、2つの手順が必要です。

.bssセクションや.dataセクションのデータはこの手順で読み書きします。

つまり、変数のアドレスを直接指定したメモリ読み書きは行なえません。

ただ、すべての変数でこれを行うのはコストがかかります。

そこで、データ領域を常に指すレジスタをひとつ設けておき、そのレジスタ値にインデックスを加えた位置(=変数)を読み書きすることで、アドレスをレジスタに設定するコストを削減するという方法があります。

このためのレジスタを「グローバルポインタ(またはベースレジスタ)」と呼びます.

これによりアセンブラは、通常2ワードで参照を行うところ、 1ワードのメモリ参照命令が生成可能となります。

グローバル・ポインタを利用してアクセスする変数を .sbssまたは.sdataというセクションに集めます。

.sbss/.sdataにサイズの小さい変数が多いのは、たくさんの変数を格納できた方がグローバル・ポインタを効率的に利用できるためです。

関連記事
トラックバックURL


コメントする
greeting

*必須

*必須(非表示)


ご質問のコメントの回答については、内容あるいは多忙の場合、1週間以上かかる場合があります。また、すべてのご質問にはお答えできない可能性があります。予めご了承ください。

太字イタリックアンダーラインハイパーリンク引用
[サインインしない場合はここにCAPTCHAを表示します]

コメント投稿後にScript Errorや500エラーが表示された場合は、すぐに再送信せず、ブラウザの「戻る」ボタンで一旦エントリーのページに戻り(プレビュー画面で投稿した場合は、投稿内容をマウスコピーしてからエントリーのページに戻り)、ブラウザをリロードして投稿コメントが反映されていることを確認してください。

コメント欄に(X)HTMLタグやMTタグを記述される場合、「<」は「&lt;」、「>」は「&gt;」と入力してください。例えば「<$MTBlogURL$>」は「&lt;$MTBlogURL$&gt;」となります(全て半角文字)