車故障
停止した時の状況は、ガス欠ならエンジンの吹けが悪くなり、それとともにスピードが次第に落ちていくのですが、そういう類のものではなく何かによってガソリンの供給が突然断ち切られたような感触でした。アクセルを踏んでもウンともスンとも言いません。このままではすぐに止まってしまうので反射的にクラッチを踏んで空走状態にしました。 |
一瞬何が起こったか分かりませんでしたが3秒ほどたってから
- 「あー…」
と事態の重大さに気がつくと同時に言いようのない脱力感を覚えました。
実はこれまでにも何回かこういうことがあったのである意味慣れている筈だったのですが、ここ数年何事もなく無事に動いていたためか久しぶりの故障に驚きました。
惰性でとろとろ走っている車を具合のいいところを見つけて路肩に寄せて停車。幸い車や人の往来がほとんどない閑静な場所でしたので、周囲の非難や同情を浴びずにすみました。以前の故障では信号がある横断歩道の手前、しかも追い越し車線側で止まってしまって、歩行者用信号が青になったタイミングで横断歩道を歩く人と一緒に路肩の方までせっせと押して渡るという、情けない記憶もあります。
停車すると同時にJAFの会員証を出して「#8139(ハイ、サンキュー)」に電話。オペレータさんとしばしやりとり。
- 「お車は何ですか?」
- 「フォルクスワーゲンです(大体これで通じる)」
- 「車種は何でしょうか?」
- 「えと、ビートルですが」
- 「…」
と明らかに車種がお分かりになっていないか、あるいは「まだそんな車に乗っているのか」という無言の圧力のような空気が漂う中、サービスカーの手配をして頂きました。正式には「Type1」という名称なのですがさらに分からない気がするので業界以外の方には用いてません。
30分ほど待つとサービスカー(レッカー)が到着。とりあえず原因究明に。後方にあるエンジンルームをなにやら見ながら整備士さんが
- 「はい、エンジンかけてくださ?い!」 「はい!」
そのやりとりを2、3回繰り返し、イグニッションを回しますがエンジンはいっこうにかかる気配を見せません。
- 「どうもディストリビュータ(点火プラグへ決められた順序に電気を配る回転装置)のポイントが点火していないみたいですね」
と故障部分を見せてもらいながらの説明。ちなみにポイント式の点火装置は最近の車にはありません。
- 「こうやってポイントを磨いたら普通は点火するんですけどね?」
「普通の車じゃないです」みたいな言外の意を伝える整備士さん。結局
- 「レッカーで前を持ち上げて運搬すると後のマフラーが地面にあたるので、積載車を手配しますね」
はい。いつもそういう展開になるので予め車高が低いことはオペレータさんに伝えるようにしているのですが、今日は忘れてました。
その日はまた急に冷え込んできて、エンジンがかからない中(かかっても排気ガスのような温風しか出てこないのでそれはまた問題ですが)、次の車が到着するのをじっと耐え忍んでました。
それから待つこと約1時間半、ちょうど傍らにあった公園のトイレに15分おきに4回ほど往復した後、ようやく積載車が到着。
車の外に降りて作業を見守る中、記念撮影。積載車に車を積む仕組みはご覧の通り、まず大きな荷台がスライドしながら斜めに降りてきます。その後備え付けのワイヤーを車前方にひっかけて斜めの状態で引っ張っていきます(写真上)。引っ張り上げた後は荷台が再び水平になりながら元に戻り、運転中に車がずれないよう固定します(写真下)。
いつも証拠が残らないのですがこうやって記録に残すとリアルですね(…)。極寒の状態から一転して暖かい助手席に乗れたことは一生の想い出になるでしょう。
この車、ディーラー等では扱ってくれないほど改造しているので、いつもお世話になっているカーショップまで運転手のおじさんと世間話をしながら運んで頂きました。
カーショップ到着した時にはすでに夜も深々とふけており、誰もいないため放置状態同然で置いて帰ってきました。次の日の朝、ショップに電話をしたらすでに状況は把握されていたようで、部品交換で治るようです。
ということで今年もJAFの年会費は元がとれました。なぜか人を乗せていない時に運良く故障してくれます。

